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葵とアークが付き合い始めた。 この小さな島では情報が回るのが早い。無論、この話も三日もたてば島民全員の耳に入っていた。 「ちょっと待ちなさい!!」 そう声をかけられ、アークは面倒臭そうに振り向いた。 そして驚く。 そこに居たのは彼の歴代のガールフレンド達だったのだ。 「何か用か?」 「何か用ですって?そんな事がよく言えたものね」 随分とまあ好戦的な態度である。 こういう事態になる様な事をしたからなのだが。 彼とて悪かったとは思っている。だが、どうしようもない事なのだ。 (こりゃ修羅場確定か?) 「ちょっと聞きたい事があるんだけど」 「聞きたいこと?」 「ええ。貴方、異国の少女と付き合い始めたんですって?」 「……ああ、そうだけど」 そう答えた途端に、相手の顔がみるみると恐ろしい形相になる。 「……そう、やっぱりそうなのね……」 「おい、お前ら葵に何かする気なら容赦しねえぞ」 自分になら何をしてもかまわない。だが、あの少女に何かするつもりなら……。 だが、彼女の口から飛び出した言葉は、全く予想にないものだった。 「あら、葵様にそんな事する筈ないじゃない」 (様!!??) アークが呆然としていると、少女達は一斉に襲い掛かってきた。 「このこの!!葵様を傷物にして!許さないわ!!」 「最低!!!私達の葵様と付き合うなんて羨ましい!!」 「死んじゃえ!!」 アークが呆然としている間に一方的に殴られ、満足した少女達は去っていった。 アークは知らない。 彼女達がアークに振られた後、葵に抗議した事を。 アークは知らない。 葵が抗議に来た少女達に説教をした事を。 アークは知らない。 そうして少女達は元アークのガールフレンドではなく、葵様親衛隊と化した事を……。 アークは知らない……。 |