手紙



神父様、お久しぶりです。
神殿の仕事が忙しくて、お手紙を出すのが遅れてしまいました。
神官のお仕事は大変で、いつも失敗ばかりして皆さんに迷惑ばかりをかけています。
だけど、とても楽しいです。もっともっと頑張って、皆さんのお役にたてる様になりたと思っています。
教会の方はお変わりありませんか?ジェーンのおねしょは直りましたか?ケインはニンジンが食べれる様になりましたか?
皆元気でしょうか。


ところで、最近皆が「何かを忘れている」と感じているみたいです。
不思議です。私もそう思っていましたから。
一体何を忘れているのか。
って、それが分かれば悩んだりはしなんですけど。
でも、とても大切な何かを忘れている気がするんです。
そしてそれは、アークさんとリュートさんに関係していたものだと思うのです。


この間、久しぶりにアクアさんと会いました。
アクアさんは今でも魔法院に居て、ヨハン先生とユニシスさんと仲良く暮らしています。
アクアさんも何かを忘れている、という事を感じていると言っていました。
このままずっと忘れたままなのだろうかと聞いてみたら、アクアさんは首を横に振りました。
世界が彼女を忘れても、彼女は世界を覚えていると。
そして彼女が世界を忘れなければ、きっとまた会えると。
私は意味が分かりませんでした。
だけど、嬉しくて。
何故だか分からないけどとても嬉しくて。
私は泣いてしまいました。
帰り際にアクアさんに私が忘れた事を覚えているのかと聞いてみたら、やっぱり首をふりました。
さっきの言葉は、ただそう思っただけだと。


神父様。
私はきっと、忘れてしまった事を思い出せると信じています。
だって私は、叶えられない事は無いと思うんです。
私一人では無理でもこの島の皆や、教会の皆。
大陸の人たち。
世界中の人たち。
世界が願えば、きっと思い出せると信じています。
だって神父様。
信じなければ、願いは叶いません。
だからずっとずっと。
私は信じています。


それでは、またお手紙を書きます。


マリン・スチュワート


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